「○○さんは○○ハルモニ」と担当を決め、共同学習者が電話でインタビュー。「ステイホーム」の暮らしと想いを聞き取り、ハルモニと共同学習者全員に届けました。
「どうしてらっしゃいますか?」「困ったことはありませんか?」と、担当の共同学習者が電話をすると、久しぶりの声にハルモニたちはとても喜んで下さり、そしてみなさん「元気です。大丈夫です。」という返事をして下さったそうです。 「(第1弾の)共同学習者さんからのメッセージは嬉しかったです。」「会える日までがんばりましょう。」とこちらを気遣って下さったり、「他のみなさんに電話してお喋りしています。」「体調があまり良くない人もいるから心配です。」と他のハルモニを心配していたり、ウリマダンの仲間を思う言葉がたくさんのハルモニから聞かれました。またこの自粛生活を、「これまで見る時間がなかった韓流ドラマをたくさん見ています。」「ゆっくり昔を思い出して考えることができました。」と前向きに捉えようとしているハルモニもおられました。
一方で「食欲もあまりなくて困っています。」「なんとか寝たきりにならずにやっています。」「自粛自粛で、娘も電話はくれるけどあまり来てくれません。」「どうにもならなくてさびしい。昼間はずっと一人です。」と、体や心の辛さについての言葉も、ハルモニたちとの会話からはこぼれ出てきました。、そのお気持ちをほんの少し受け止めることができたことは、このカード作りをしてよかったことかもしれません。でも同時に、そのようなことを口にされないハルモニの「元気です。大丈夫です。」にも、同じような思いがこもっているだろうことに、心を馳せないといけないとも思わされました。
在日としての長く厳しかった人生の、その終盤に非情にもコロナ禍に遭遇することになったハルモニたち。これまで「こんな時代に生まれたんだから仕方がない」と時代のせいにして自らを納得させ、何度も立ち上がってきたその彼女たちも、この新たなる事態には、気持ちの整理もできないままに、ただ耐え忍んでいるのが今の状況だと思います。
そんな「ステイホーム生活」も、ようやく事態が少し落ち着いてきて、これからウリマダンもリスク回避に最大限工夫をしつつ、再開を検討する段階になってきました。80代、90代のハルモニにたちが、2ヵ月余のブランクの後に、またウリマダンに通ってくる気力・体力はあるだろうか?これまでと同じように一緒に作文を書いたり、絵を描いたりすることはできるだろうか?いろいろ心配はありますが、必ずしも以前と同じ活動をすることを目指さなくてもよいのかもしれません。
1人のハルモニが「たった数時間でも、行くことが力になっていたので、とても寂しい」と話して下さったように、失うことになって改めて、ウリマダンという場の自分にとっての意味を、ハルモニたちも共同学習者もそれぞれに再確認することになったこの自粛期間です。まずは直に顔を見、言葉を交わすことが一番。再開できたら、この寄せ書きカードを題材に、会えなかった間に積もった思いを共有することから、まずは初めてみたいと思います。実際に再スタートしたら、今後のウリマダンのあり方も少しずつ見えてくることと思います。(H.S.)