ウリマダンの若いメンバーが、福島第一原発事故についての学びの旅を、分かりやすく報告してくれました。
毎週行われる在日高齢者の学びと交流の場「ウリマダン」に参加している若い共同学習者らが福島県を訪れ、東京電力福島第一原子力発電所事故や伝承館について報告しました。
ウリマダンでは。、コロナ以後、感染予防の観点から、共同学習者がZoomからでも参加できるようにしました。その結果、今や定期的に福島県とカナダなど遠方からの参加も可能となり、物理的な距離をこえた交流が進んでいます。
ウリマダンは、90歳を越えた朝鮮半島の日本による植民地支配時代の証言が可能な方々が参加してくれていること、平日の午前中の活動にもかかわらず、時間を見つけて若い人たちが参加してくれていることが財産だと感じています。
「風評の払拭」に展示スペースが多く割かれていた、とのこと。
福島県からのZoom参加者を含めた共同学習者同士が、自発的に福島県へ足を運び、福島第一原発事故の学習の機会を持ちました。現地で実際に感じたことや学んだことをぜひハルモニたちに報告したいと、福島県を訪れた共同学習者たちがハルモニたちの前に立ちました。報告をした共同学習者たちが、なぜハルモニたちに報告しようと思ったのかがしっかり表現されていました。
福島第一原子力発電所事故による被害が今も続く問題であるはずなのに、見学を通して過去の問題のように扱われていると感じ、「なかったことにされてたまるか」という想いを強くしたこと、そして当事者に出会い、現場に立つことで目が開かれたことの体験と、共同学習者がウリマダンで学んだハルモニたちと出会い、今もともに学びつづけ、過去の問題ではないのだと発信を行っている場との共通点を感じたのでしょうか。その気持ちをハルモニたちと共有したかった想いがあふれていました。識字学級からスタートしたハルモニの学びの場から、文字通り共同学習者の学びの場へと深められていることを感じました。
そして最後に、福島県出身の共同学習者から、福島県内では原発のことを話題にできない状況について指摘がありました。放射能を怖いと思っている人、新たな歩みを始めたい人、分断させられ一言で語れない状況ゆえに、福島についてあまり発信できなかったと、複雑な思いが語られました。
想いをつなぐことの意味を改めて確認しました。(M)
(注)標語の展示について
写真のみ → 疑問の声が上がる → 一時期実物を展示 → ひっそりレプリカに差し替え
という経緯があったそうです。
レプリカになって、写真のみより大きく前進したものの、
経緯への批判や、今も実物展示を求める声もあるそうです。