ハルモニたちのこれまでの人生や、今の思いを伝える手作り人形劇が、初舞台を迎えました!
4月28日(水)、ウリマダンのハルモニと共同学習者が、この間取り組んできた人形劇の旗揚げ公演が、青丘社のデイサービスのみなさんをお客様にして行われました。
昨年来のコロナ感染の中、ウリマダンでは、ハルモニたちの、会って・話して・学ぶ場をもちたいという思いを何とか持続させようと努力を重ねてきました。交通機関利用の共同学習者には参加を控えてもらい、今年に入ってからはリモート形式を導入。リアルなウリマダンの会場と、自宅参加の共同学習者をZOOMでつなぐことで、共同学習者も画面を通してハルモニたちの活動の様子を知ることができ、またこれまでにはありえなかった、福島など遠くからの新しい仲間も画面越しに参加してくれるなど、ZOOMならではの新たな広がりもありました。
ただ、これまで行ってきた作文などの表現活動は、一人一人のハルモニのそばに共同学習者が寄り添う必要があり、このZOOM体制では実践が難しくなったため、そこで、集まったハルモニたち全員が参加でき、楽しく作業して過ごせるようにということで、提案されたのが人形劇をやるということでした。
人形劇作りは「自分の一番輝いていた時代の人形を作ろう」ということで、一人一人が手描きの人形を作るところから始まりました。ストーリーとしては、ロシア民話「おおきなかぶ」をベースに、「おおきなマヌル(ニンニク)」というお芝居を作ろう、ということで盛り上がり、週一回のZOOMウリマダンの中で、リモート参加の人もリアル参加の人も、みなで協力して脚本を作り、ハルモニの動き方や人形の動きもみなで考えて、今回の旗揚げ公演に向けて準備を積み重ねてきました。
練習の回を重ねるごとに、たどたどしかったセリフもしっかりし、次第にハルモニたちから私たちの予測を超える動きやセリフが飛び出るようにもなりました。「これぞハルモニ人形劇の真骨頂」と、一時期は「こんなウリマダン、つまらるない、と思いながら参加しているハルモニもいるのでは?」と心配していたスタッフの懸念も吹きとんでしまいました。
「私たちには夢があり希望がある という気持ちを発信する!」を人形劇団のモットーに掲げ、その気持ちをデイサービスの利用者である高齢の仲間たちに伝えようと、公演の前に確認しました。当日は演じる側も、観る側も大いに盛り上がって、80~90歳のハルモニであっても、仲間がいて活躍できる場が与えられれば、こんなに活き活き成長できるのだということが伝わってくる初舞台となりました。
この人形劇は、これからもハルモニたちの人生をより反映した作品に練り直していく予定です。次は映像にしてネット上で発信できるよう、撮影に取り組みます。
この地域がさらなる差別被害を受ける中にあって、この人形劇が地域の子どもたちや高齢者に夢と希望を届け、元気を分かち合う小さなパワーの源となればと思います。また遠くで応援して下さる方を一人でも増やしていく1つのツールにもなれば、と願っています。(M)