2021.5.13 「ふれあい館を守って」 市民団体の署名提出に合わせ、ハルモニたちもメッセージを届けました。

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3月にふれあい館に脅迫文が再び届いたことを機に、川崎市に改めて「ヘイトから市民を守って」という、市への要請文と署名が提出され、ハルモニたちも同行しました。

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3月16日に、ふれあい館にまた脅迫文が送り付けられてきました。

このところ川崎区の各所で差別街宣を行ったり、嘘とデタラメで塗り固めたチラシを戸別配布したり、ヘイトの活動は途切れることなく続けられていました。そこへ今度は、またふれあい館が標的にされたのです。

川崎市には罰則付きの先進的な条例ができたにもかかわらず、その施行後、逆に巧妙化、悪質化したヘイトスピーチが続けれています。そしてまた今回の脅迫状です。ふれあい館に集う人々に、2015年にヘイトデモが桜本の街を襲ったときの、追い詰められるような恐怖の感覚がよみがえりました。

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ヘイトを実際に目にする機会がない人たちの中には、「条例ができてよかったね」という言葉に続いて、「まだヘイトスピーチと闘ってるの?」とあきれ顔をする人がいます。ヘイトスピーチの問題が終わったかのような空気感が生まれてきています。

現状は条例が制定されて問題解決、となったわけではなく、ヘイトは再悪化していると言わざるをえません。このような実情にアクションを起こさねばと、5月13日、市民団体「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」は、市が条例の実効性ある運用を行って、ヘイトから市民の人権を守るよう、要請文を川崎市に提出しました。この日、1万3561筆の署名とともに、ウリマダンのハルモニたちのメッセージも届けられ、ハルモニちを代表して、命蘭(ミョンラン)さんと、日分(イルブン)さんが要請の場に参加しました。


毎週ふれあい館でウリマダンの集いをもっているハルモニたちは、脅迫状が送られてきたことについて、いろいろ話し合いました。そこには、朝鮮人に対する差別的な言葉が並べられたあと、「朝鮮人豚」「コロナ入り残りかすを食って死ね……」と14回も死ねと書かれていたことを知りました。

「いつまで、こんなことが続くのか。日本に来て、まじめに一生懸命働いてきて、もう人生も終わるかという時になって、訳の分からないものにおびえて暮らさなくてはならないなんて、本当に悔しい」と苦悩に満ちた顔で話すハルモニもいました。

私たちの言葉が少しでも役に立つならと、川崎市に対して「わたしたちのふれあい館を守ってください」という気持ちをメンバー10人が書き記したメッセージ集を作り、市民団体が要請文を提出した時に、一緒に提出しました。歩行に困難を抱えながらも行動を共にした、ウリマダンの命蘭さん(94歳)と日分さん(90歳)は、その後行われた記者会見の席でも自分の想いをしっかり述べました。「これまでも差別は心にしみる辛さと痛さがあったが、今回の露骨な脅迫は身の危険を感じる怖さ。私たちが誇りにしている川崎の条例で、ヘイトをなくしてください」(日分さんの言葉)

今回川崎市に行った要請には、一向に減らないヘイト行動に対して、行政と市民が改めて協力し合ってNOを突きつける弾みにしたいという想いがあるのだと、市民団体では話していますし、それはハルモニたちの思いとも重なっています。(M)